ビールって何からできているんだろう。
そんな、ビールの基本的な原材料に
ついて、わかりやすく解説します。
- ビールってなにでできてるの?
- ビールのことを知りたい
- ビール初心者
原材料を知って、ビール選びの
参考にも活用してくださいね🍺
ビールってなにでつくる?(きほんの原材料)
ビールの主な原材料はこちら!
- 麦芽
- ホップ
- 水
- 酵母
今回は、この4つの原材料について
詳しく見ていきましょう。
麦芽(モルト)
ビールといえば麦!
ビールの味わいはもちろん、
色にも関わっている素材です。
- 大麦を発芽・乾燥させたもの
- モルトともいう
- 小麦を使うこともある
麦をそのまま使うのでなく、
「麦芽」に加工したものを使います。
発芽させることで、麦の
酵素のはたらきを高めるのです。
- 麦をたっぷりの水につけて発芽させる
- 芽や根っこを切り落とす
- 熱風で乾燥させる
乾燥させるときの温度もポイント!
一般的なビールの場合は80℃くらい、
種類によっては100℃以上の高温で
色味をつけることも。
つくりたいビールに合わせて、
複数の色味の麦芽をブレンド
することもあるそうです。
ホップ
- つる性の植物(背がすごく高い)
- 毬花(まりはな)という部分を使う
- 固形状のペレットやエキス状などに加工して使う
アサ科のつる性の植物で、
1年で7~8mくらい背が伸びるのだとか。
大手メーカーの定番ビールの多くは、
ドイツやチェコのホップがよく使われています。
この毬花(まりはな)を割ると、中から
黄色の粉のようなものがでてきます。
ルプリンと呼ばれ、この成分が
ビールの苦みや香りのもとなのです。
- ビールの苦み
- ビールの香り
- 泡もちアップ
- 澄んだクリアな見た目
- 殺菌効果
苦みや香りは、ビールの複雑な
おいしさをつくるのに欠かせません。
また、麦のタンパク質とホップの
成分がくっつくことで、
泡もちがよくなったり、
濁りを沈めて澄んだ見た目に
するはたらきも。
防腐や殺菌効果があるといわれ、
現在のような長期保存が難しかった
時代にはとても重宝されていました。
※ホップを使ったビールの登場時期については諸説あり、
本格的に広まっていったのは15世紀以降といわれています。
※ビール自体は、少なくとも紀元前3000年ごろにはあったといわれています
現在のビール造りでは、
ホップを固形状のペレットや
エキス状に加工したものを使います。
水
ビールの色や風味にも関わるため、
どのメーカーもこだわるところ。
ビールに使用する水はどんな水ですか? | よくあるご質問 | サッポロビールビールの成分としては9割以上が水であり、求めるビールのスタイルに合うようにミネラル分等を調整して磨きあげた水を使用しています。
ビールの種類(スタイル)によっても
適切な水質があります。
- 軟水→色の淡いビール(ラガー)
- 硬水→色の濃いビール(エール)
※ミネラル成分が多いのが硬水、少ないのが軟水
日本の軟水は「ラガー」、
それも黄金色のラガーである
「ピルスナー」にぴったり✨
そのため、日本の一般的なビールは、
ラガーやピルスナーとなっています。
酵母
5~10マイクロメートルの微生物。
肉眼では見えませんが、
ビールの香りや風味に関わる大切な存在です。
酵母とはなんですか? サントリーお客様センター酵母とは、麦汁の糖を食べ、アルコールと炭酸ガス、エステルなどの香気成分を作りだす微生物です。
酵母は、ビールの香味成分をつくる上では大切な役目を果たしています。
酵母は大きく分けて2タイプ。
名称 | 下面発酵 | 上面発酵 |
---|---|---|
発酵するときの温度 | 5℃前後の低い温度がすき | 20℃前後の常温くらいがすき |
酵母の特徴 | 発酵が終わると下に沈む | 発酵が終わると表面に浮いてくる |
ビールの味わい | すっきりとしたビール | フルーティーなビール |
ビールの種類(スタイル) | ラガー | エール |
※発酵温度については、だいたいの範囲で記載しております。(参照先によって具体的な数値がやや異なるため)
日本でよく使われているのは、
下面発酵の酵母です。
実際には、この2つのタイプだけでも
数えきれない種類の酵母があり、
造るビールに合わせて選んでいます。
副原料とは?
基本的な原材料は、
麦芽・ホップ・水・酵母ですが、
香りや風味を良くしたり、
個性をだすために使われる素材があります。
その中でも、日本の法律(酒税法)で
ビールと名乗ってOKなものを
「副原料」と呼んでいます。
米、コーン、スターチ、糖類など
※コーンはとうもろこしを粉砕したもの、スターチはコーン由来のでんぷん
発酵具合をコントロールし、
風味やアルコール度数の調整など
の目的でも使われています。
他にも、香りや風味づけとして
使える素材がこちら!
- 果実や野菜(乾燥させたものや、濃縮したものも含む)
- こしょう、シナモン、クローブなどの香辛料
- カモミール、レモングラスなどのハーブ
- 塩やみそ
- はちみつ
- そば、ごま
- 花やお茶、コーヒー、ココアなど
- かき、こんぶ、わかめ
- かつお節
※麦芽の量に対して、100分の5くらいまで。
- ビールの原材料でつくっている
- 麦の量が50%以上
- 認められた範囲の副原料を使っている
麦の量が50%より少なかったり、
副原料でないものがあれば「発泡酒」
※麦の量はOKでも副原料などで発泡酒になることも
麦芽の代わりに、豆類や
麦由来のスピリッツ(蒸留酒)を
使っているものは「新ジャンル」
(第3のビールなど)と呼ばれています。
※24年現在、パッケージには発泡酒②と表記されています。
(酒税区分は発泡酒と同じだけど原材料が異なるため)
※2026年10月の酒税法改正時には、
発泡酒も新ジャンルも「発泡酒」と表記が変更される予定です。
まとめ
ビールの原材料は、基本的の4つと副原料があります。
麦芽 | 大麦を発芽・乾燥させたもの。モルトともいう。 粒の大きい二条大麦という品種をよく使う。 ※ビールによっては小麦を使うことも。 |
ホップ | つる性の植物。1年で7~8mくらい背が伸びる。 毬花(まりはな)という部分を使う。 ※固形状のペレットやエキス状などに加工して使う。 |
水 | 水質によって色味なども変わる。 軟水は、色の淡いビール(ラガー) 硬水は色の濃いビール(エール)に向いている。 |
酵母 | 酵母の種類や働き方で、味や香りなどいろいろ変わる。 日本では、低温発酵の酵母でつくる 「ラガー」という種類のビールが一般的。 |
この他に、発酵具合を調整したり、
香りや風味づけとして副原料が使われることも。
- 米、とうもろこしなどの穀類
- 糖類
- 果実や野菜
- ハーブやスパイス など
原材料の組み合わせや製法のちがいによって、
様々な種類のビールが造られているのです。
また、原材料によって
- ビール
- 発泡酒
- 新ジャンル(発泡酒②)
と表示できる名称が異なっています。
- ビールの原材料でつくっている
- 麦の量が50%以上
- 認められた範囲の副原料を使っている
※酒税法のビールの基準より
ビール選びの際は、原材料にも
注目してみてくださいね😊
参考:
麦芽とは?ビールメーカーが解説する「麦芽(モルト、 malt)の基礎知識」 | よなよなエール公式ウェブサイト「よなよなの里」、
ビールの原料|4つの原材料の組み合わせで味わいが変わる!クラフトビールメーカーが解説 | よなよなエール公式ウェブサイト「よなよなの里」、
ビールの「ホップ」が果たす役割って?ホップの歴史も紹介|CHEER UP! 毎日のワクワクした暮らしを応援するポータルメディア、おいしいビールの原料 | サッポロビールのこだわり | サッポロビール、
国税庁資料(平成29年度税制改正によるビールの定義の改正に関するQ&A)、
キリンビールHP「酒類の品目等の表示義務」改正に伴う新ジャンル商品の品目及び税率適用区分の表示変更について
ビール語辞典/誠文堂新光社
※お酒は20歳をすぎてから!飲みすぎず、マナーを守って楽しみましょう。
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